チワワに多い病気「僧帽弁閉鎖不全症」

チワワのあれこれ
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チワワに多い病気の1つ、僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)をご紹介します。
実は、政宗がこの病気を患っています。
この病気について医師の説明や自分なりに調べて得た情報、政宗は今もちの場合の治療方針、今この病気にどう向き合っているかなど
についてお話したいと思います。
同じ病気と診断されて戸惑っているご家族の方、この病気について知っておきたい方などの
参考になると思います。

「僧帽弁閉鎖不全症」について

そうぼうべんへいさふぜんしょうと読みます。
これは心臓病です。
原因ははっきりわかっていないそうですが、小型犬種の罹患率が高い病気だそうです。
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁という、血液を逆流させないためにピタッと閉まるはずの弁が
ヨレヨレになったり分厚くなったりしてピタッと閉まらなくなり、弁の役割を果たせなくなってしまう病気です。
通常は左心房から左心室に向かってしか開かない弁が、西部劇の酒屋の入り口みたく左心室から左心房に向かっても開いてしまうため、血液が逆流してしまいます。
そうなると、1回の心臓のドクンで全身に送り出す血液量が減ってしまいます。
そのため心臓は、減った分の血液量を補うためにドクンの回数をドクンドクンドクンと増やして頑張ります。

心臓が送り出す血液は全身各所でとても重要な働きをしています。
1.酸素を運んで二酸化炭素を回収する
2.栄養分を全身に運ぶ
3.病原菌を退治する
4.要らなくなった物を運ぶ
5.体温を調節する
6.ホルモンを運ぶ

※参考サイト:みんなのどうぶつ病気大百科 - 血液のはたらき
わが子のために知りたい血液の働きのこと|犬・猫・うさぎ・フェレット・鳥
 血液は、心臓や肺を始め、どうぶつの体中で絶え間なく働き続け、生命を維持します。

これらの重要な働きができるように心臓が常に頑張っているので、体に異常症状は見られません。
だから僧帽弁閉鎖不全症は初期の段階では症状だけでの早期発見は難しいと言われています。

早期発見できる方法

初期の段階でも発見できる方法があります。
それは、聴診器で確認できる「心雑音」です。

政宗は2021年5月に受けたバースデー健診で「心雑音」を確認されました。
医師が首をかしげながら聴診器を何度も変えて心臓の音を確認していたので、「なんかあるんだ」とドキドキしていたことを今でも覚えています。
そして精密検査を受けた結果僧帽弁閉鎖不全症です」と告げられました。
政宗は、この受診の前、2021年3月にちょっと腰を痛めた様子だったので病院に行っていますが、その時は何もありませんでした。
バースデー健診を受けなかったら、8月のワクチン接種時期まで病院に来ない可能性があったので、もう少しあとに発覚することになっていたと思います。
早期に発見できたことは本当によかったです。
でも、政宗がこの病気に罹患したと告げられた時は本当に恐ろしく、この世の終わりかと思ったくらいでした。
医師が病気のことをホワイトボードを使って丁寧に説明してくれましたが、ほとんど頭には入ってきませんでした。
いつかは命を終える日が来る、とわかっているつもりですが、この病気のせいでその日が早く来てしまうかもしれないのかと、ちょっと訳のわからないことを思ったりもしました。
その日がいつかはわかりませんが、政宗が楽しく生涯を送れるように、今後もできることをしっかり取り組んでいきたいと思います。

主な症状

僧帽弁閉鎖不全症の定期健診で毎回確認されることが3つあります。
最近疲れやすくなった
睡眠時間が長くなった
水をたくさん飲むようになった
この病気の症状としてよく見られる様子だそうです。

政宗は普段から激しい運動はせずにのんびり過ごしているので、疲れやすくなったかはわかりません。
一番激しい運動といえば散歩ですが、散歩中に座り込んだり散歩に行きたがらないことは今のところありません。
また、政宗は寝るのが仕事のようなもので1日中ほぼ寝ているので、変化に気づきにくい気がします。
唯一、水を飲む量は増えたかなと感じたことはありました。
でも、以前はあまり水を飲まなかったので、最近よく飲むようになって良かったなと思っていました。
症状があったとしても異変とは気づきにくい変化だと思います。

より早く発見するにはやはり聴診器を当てる機会を定期的に持つことがいいと思いました。

症状が進行すると心不全を起こします

僧帽弁閉鎖不全症は進行すると、心不全を起こします。
血液を送ることを頑張りすぎていた心臓は疲れ果て、体に必要な血液量を送り出せなくなった状態を、
心不全と呼びます。
そして徐々に心臓に血液が溜まり始め、心臓が膨張していきます。
血液が溜まりすぎると今度は肺へと逆流します。
肺の毛細血管に溜まっていき、限界を超えると毛細血管から血液中の水分が溢れて肺の中に溜まり始めます。
肺の中が水浸しになると、呼吸が苦しくなってきます。

腎臓へも影響します

心不全になると、腎臓にも影響が出てきます。
腎臓は血液に運ばれてきた老廃物を尿に変えます。
しかし、血液量が減ると、腎臓に運ばれてくる老廃物が減り、尿が作れなくなります。
その変化を察した脳が「これは異常だ」と判断して水を飲むように命令します。
でも、水を飲んでも血液が老廃物を運べないので尿は作れません。
この状態が続くと、体に毒素が溜まってしまい、最悪の場合「急性腎不全」になってしまう危険性もあります。
最近政宗は水を飲む量が増えきたように感じます。
気温が上がったせいかもしれませんが、医師と相談した結果、次回の定期検診で念のため腎臓も検査することになりました。
シニア犬の政宗には色んなガタがきているはずなので、状況を知っておくことは大事かなと思いました。
検査後
進展あれば、また情報更新したいと思います。

治療方法

政宗は内科治療で、「dsピモハート」という薬1.25mgを1日2錠、ゴハンと一緒に服用しています。

「dsピモハート」は、僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全に伴う症状の改善の効果があるそうです。
そして、4ヶ月ごとに超音波検査をして症状の進行状況を確認しています。
幸いにも今のところ目立った症状の進行はありません。

今後の治療方針、手術も考慮

今後の治療方針について質問した時に、医師からは次のような説明を受けました。

・内科治療は、僧帽弁閉鎖不全症を治すのではなく、症状の進行を遅らせる治療。
・病状が進行した場合、薬の量を増やしたり、もう少し強い薬に変えたりすることになる。
・そうなると生涯薬を飲み続ける他、
手術という選択肢も出てくる
手術が成功すれば、症状を改善させて薬の量を減らしたり、薬を飲まなくてもよくなる。
・手術の成功率は30%くらい(説明を受けた2021年時点)
・手術をすれば当然痛みも伴うのでシニア犬の体には相当負担がかかる
・当然麻酔はするし術後も痛み止めの服用で和らげられるが、痛みはゼロではない
・退院後の生活になんらかの影響が出る可能性があることなどのリスクもある
体の負担がどのくらいになるかはその時の体調や本人の体力にもよるのでと予想が難しい
・手術費用は300万円前後、保険適用外なので全額実費
・これらのことを総合的に判断して治療方針を決めることになる。

いま政宗は内科治療で症状の進行が抑えられているので、手術を考えるのはもう少し先の話になるのかもしれません。
政宗が命を全うする時に「楽しい生涯だった」と感じてもらえるように、しっかり状況判断をしたいと思います。

まとめ

チワワに多い病気、僧帽弁閉鎖不全症についてご紹介しました。
初期症状はわかりにくいですが、定期的に病院で健診を受けていれば比較的早く発見できます。
痛みや苦しみはなかなか訴えてくれませんので、早く気づいてあげたいですね。
また、僧帽弁閉鎖不全症のことを知っておくことで、万が一宣告されても落ち着いて今後のことを考えられるかもしれません。
政宗は、この病気に罹患していることを忘れてしまうくらい、今も変わらず元気に過ごしています。
目立った症状が全くないことに安心せず、ただ疑心暗鬼にならずに僧帽弁閉鎖不全症と向き合っていこうと思っています。

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