天気予報でよく聞くJPCZが、言葉を扱う大切さと向き合わせてくれたことについて

ウチの無所属
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最近、日本海側の各地では大雪で大変な状況です。
それと同時に、天気予報で「JPCZ」という言葉をよく聞くようになりました。
「JPCZ」は以前からある言葉なのだと思いますが、私は初めて聞いた言葉でした。

そして、いろんな番組の天気予報コーナーで頻発するので、気になっていました。
JPCZ、日本語だと「日本海寒帯気団収束帯」と言うそうです。
この収束帯付近で対流雲が組織的に発達するため、日本海側の地域で局地的に大雪になっているとか。
JAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)のHPで詳しく解説されています。


私が気になったのは、その発音です。
天気予報で言っていた発音は「じぇいぴーしーぜっと」でした。
最後の「Z」、中学生の時に英語の授業でたしか「Z」の読み方は「ずぃいー」と習った記憶があります。
でも日本では、Zを「ぜっと」と読みます。
マジンガーZは「まじんがーぜっと」、Z世代は「ぜっとせだい」、そして、JPCZは「じぇいぴーしーぜっと」です。

もし「ぜっと」という読み方が日本独特で、世界ではみんな「ずぃいー」と読むのであれば、日本でも「ずぃいー」にしたほうがいいんじゃないか?と思い、調べてみました。
すると、「Z」を「ぜっと」のように読む国が多くあることを、初めて知りました。
主に言葉を扱う者として「Z」について興味が沸いたので、少し掘り下げてみました。
SNSなどで交流をする機会が増えている昨今、私自身、言葉の重みを考えるきっかけになったので、何かの参考になればいいなと思い、まとめてみました。

同じ言葉、違う発音

この「Z」、イギリスでは「ぜっと(正式には「ぜぇえーどぅ」)」と読むことがわかりました。
英語にはアメリカ英語とイギリス英語というのがあって、スペルが若干違うことがあると聞いたことがあります。
でも、読み方も違うことがあることは初めて知りました。

中学校で習った発音記号でいうと、アメリカは「ziː」、イギリスは「zed」となるようです。

オーストラリア・ニュージーランド銀行「ANZ」、これをオーストラリアやニュージーランドでは「えいえぬぜっと」と読み、アメリカでは「えいえぬずぃいー」と読むんですね。

「始めから終わりまで」を英語で「from A to Z」と言いますが、イギリスでは「ふろむ えい とぅー ぜっと」と読み、アメリカでは「ふろむ えい とぅー ずぃいー」と読むんですね。

国や地域によって読み方が違うことは文化なので尊重したいところですが、正直正解がわからない時があると思います。
そんな時は「ふろむ えい とぅー ずっ」となんとなくどちらともとれるようにうまく言えば何とかなりますかね。

それは冗談ですが、今はインターネットで海外の人とお話できる時代、読み方が違うことでなかなか通じない経験をした方も多いのではないでしょうか。

同じ言葉、違う意味

会話のアクシデントは、同じ言葉でも意味が違うことでもあります。
例えば方言。
日本国内でもエリアによっては同じ言葉でも違う意味になり、思わぬアクシデントを引き起こしかねません。


石川県の方言で「コケ」は「きのこ全般」を指します。
鍋パーティーの時に「みんな、コケ好きだよね~。いっぱい入れたよ!」なんて言われたら、一瞬固まるかもしれません。


東海地方から甲信地方、福井など広範囲で「えらい」という言葉を「しんどい」という意味で使います。
ペーペーの自分に「お前えらいやろ、ここ座って休め。」なんて言われて、
いや平社員だし、先輩なんで急にそんな気を使うんだろう?と思ってしまいそうですが、
きっとこの先輩は自分がしんどそうに見えて心配してくれた、いい人です。


九州の一部で「かさぶたができた」ことを「つのできた」と言います。
仲良くなったママ友に「この子、この前ころんでつのできたのよー」なんて言われたら、

かさぶたで済んでよかったところですが、ちょっと戸惑って「え?角って、、、冗談?笑うところ?」
とその子の頭を見てしまい、気まずくなるかもしれません。


会話は言葉のキャッチボールと言われますが、パスした先で自分が発した言葉の意味のままキャッチされるかどうかは、聞き手の国や地域によって変わる可能性があるということですね。

まとめ

日頃、会話の中で自分の言葉が聞き手にも同じように受け取られているかいちいち確認することは難しいことです。
でも、ちゃんと伝えたつもりでも、相手がどう理解したかを確認しない限りは伝えたことになりません。
通常は会話を進める中で無意識に確認していることだと思いますが、誤解による勘違いや喧嘩はよくあります。
喧嘩ができれば、そのうち誤解は解けるのでまだいいですが、人生を左右する大事なことに関しては、丁寧に確認しないと取り返しのつかない事態になりかねません。
世の中の言葉にはたくさんの言語があり、発音があり、意味があります。
今はリモートやSNSでの交流が盛んに行われています。
そこでは、言葉の不思議や伝わらないリスクを乗り越え、伝えようとする気持ちで交流は成り立っているんだと思います。
皆さん、絵文字、イラスト、写真などを使ってうまいこと気持ちをのせて交流し、多くの笑顔や発見が生まれています。
私もブログという手段で言葉を扱っています。

読んでいただく皆さんへ気持ちがきちんと届くように丁寧に言葉を扱うことを改めて肝に銘じて取り組みたいと思いました。

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